10:つまづく

 きっと、頭が重い所為だろう。
 重心が高いから、そんな風に面白いぐらいに転ぶのだ。
 あっちでころり、こっちでころり、転ぶたびにあちこちで、甲高い泣き声が響く。
 うるさい、頭に響く。
 でも、文句は言っていられない。これが今の俺のバイトなのだから。
 大丈夫、といった感じで、テクテクと近付いていく。
 大丈夫? 大丈夫? 泣かないで、痛いの痛いの飛んでいけー。
 全身で表現。
 疲れるけど表現。
 それが俺のしご――
「おぅわあ!」
 大きい足が、小さな段差に躓いて、そのまま、げべしょ。
 …………泣いていた子ども達が、いっそう大声で泣き出した。
 無理もない、みんなの大好きなビッキー君(ビックリランド・マスコットキャラクター)の頭がとれたのだから。
 ざわざわと人が集まってくる。そして、泣き出す子ども達。
 …………泣きたいのはこっちのほうだ!
 ああ、二日酔いの頭に響く。


by 鳥篭/お題配布場所
http://uccello.skr.jp/100/






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