18:背負う

 ゆっくりと、ゆっくりと、増えていく。
 いつの間にか増えていく。
 ずっしりと、重くなっている。
 ずっと見て見ぬフリ。
 気が付かないフリ。
 でも、それも限界。
 まず足にきて、あっという間に崩れてしまう。崩れてしまった。
 重くて、苦しくて、息が出来なくて、もう立ち上がる気力も出てこない。
 顔を上げてみたら、またひとつ、ふたつと増えていくのが見える。
 もうイヤだ、もうヤメテ。大声で叫んでも、誰も聞いてくれない。
 たった一人で叫んで、声も嗄れて、涙も乾いて。
 もう無理だ、無理だ。諦め。
 もうイイ。もうイイや。
 無理して立ち上がって、また歩くしかないんだから。
 だから、無理して立ち上がって、また歩きだす。
 そしてまた、増えていく。

「ね、無理していいことってあるの?」
「………………」
「ダイジョウブ。ダイジョーブだよ。そんなもの、投げ出しちゃえ」
「………………そんなの、無理じゃない」
「どうして? ほら、もう、ぼろぼろ落ちてるよ」
 すうっと、軽くなる。暗示にかかったみたいに。
「必要ないものなんて、呆気なく投げ出しちゃえば良いんだよ。あんなの、勝手に積み重なっていくんだから、こっちが勝手に投げ出しちゃったって、向こうは文句は言えないよ」
 言って、軽やかに体を動かす。
「………………私に出来るの?」
「誰にだって出来るんだよ。ようは、こころの持ちようでしょ」
 その笑顔を見て、また軽くなった。


by 鳥篭/お題配布場所
http://uccello.skr.jp/100/






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