05:座る

 ……俺は耐えていた。もうずっと、立ったまだだ。
 朝、家を出る時に立ち上がった。
 それからずっと、座っていない。
 電車は混んでいて座れなかった。
 買い物中はもちろん座れなかった。
 昼はどこも混んでいたので立ち食い蕎麦だった。
 昼からも歩きっぱなしだった。
 ずっと、ずっと、色々な店を回り続けた。
 ずっと、ずっと、立ちっぱなし、歩きっぱなしだった。

 そして、帰りの電車、そこもやっぱり混んでいて、立ちっぱなし。
 ――駅に着いた。人が降りて、人が乗ってくる。
 席が空く。しかし距離がある。動こうとする前に、それが埋まる。また座れず。
 そして、俺の一日は終わっていく。
 ああ、座りたい。
 俺が何したって言うんだ。


by 鳥篭/お題配布場所
http://uccello.skr.jp/100/






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